当山は長慶山鳳林寺といい、創立は天文十二年(1543)で、才屋尊芸大和尚(天正十五年寂)を開山とし、のち寺領玉石を賜り、末寺十ケ寺を有するに至った。 本尊は釈迦牟尼仏であるが、寺宝に黄葉木庵師の揮毫になる「長慶山鳳林寺」の扁額の紙本が所蔵されている。
このお寺に祀りしてある四天王のうち多聞天は、毘沙門天として特に崇敬あつく、仏法守護・病魔退散・財宝来福の神として信仰されている。その風姿を拝するに、身に七宝で飾った甲胃をつけ眼光するどく、夜叉・羅殺を調伏する神とされていることは、現今の世相を清浄健全なものとする国民信仰のうえで欠くことのできない神である。 |